カクラダイスケ

ドブで犬を拾った

ドブで拾った犬 1
ドブで拾った犬 2

甥と姪あわせて三人、ギャァギャァ騒ぎながらやってきたかと思ったら、ドブで犬が溺れていると叫んでいる。

僕の住む田舎町は下水なんぞなく、生活排水がドブに垂れ流されている。幅1メートルほどのでかいドブで、深さも1.5メートルほどある。元々たんぼのための用水路で、今でも一応その役目も果している。

昔はヘビやカエルやザリガニ、いろんな水生昆虫がいて、探検するには楽しい場所だった。けれど、コンクリートで固められてしまった今では、ただの味気ないドブでしかない。

いやちょっと待て、そんな昔話はどうでもいい、犬が溺れている現場へ急行。

ミニチュアダックスが一匹。溺れているというか、深いコンクリートのドブから這い上がれずにいる。体の半分まで真っ黒い水に漬かっていて、ギャァギャァ騒ぐ子供たちに取り囲まれ、身動きのとれない状況に落ち入り、すっかり怯えている。

僕は長靴をはき、二重に手袋をはめてドブに下りた。黒い水の底にはヘドロが堆積していて、慎重に歩かないと転びそうだ。犬に手をのばすと噛み付いてきた、おいおいこのままほっとかれてもいいのかい。

なんとか犬のご機嫌をうかがいながら、両手で掴んでドブから救出。犬は全身真っ黒、もはや愛玩犬とは呼べない状態。家になんか絶対に入れたくない。

犬はよほど先を急いでいたのだろう。命の恩人であるこの僕にお礼を言うのも忘れて、まるで何かから逃げるかのように去って行った。というか、ギャァギャァ騒ぐ子供たちから逃げた。

怪我をしてる様子もないし、元気そうなので自力で帰宅してもらうことにした。そもそも、あんな真っ黒な犬を家になんか絶対に入れたくない。

とりあえず、一件落着。

帰宅して、よっちが焼いてくれたお好み焼きをガツガツ食べる。さて三枚目に挑戦しようかというとき、小型犬の悲しげな鳴き声が聞こえてきた。まさかまた…。

そう、まさかとは思いつつ、さっきの事件現場へ行ってみる。同じ犬が同じドブの同じ場所にハマっていた。アホかこいつは…。

焼きあがった三枚目のお好み焼きをおあずけにして、また長靴と手袋を装着。今度は真っ暗な中で真っ黒い水に足をつっこんだ。

犬はすっかり衰弱していて、今度は何の抵抗もしない。抱え上げても動けず、冷たい水に長いこと漬かっていたのでブルブル震えている。全身余すところなくドブまみれ、もはや犬の形をしたドブと言ってもいい。しかたない、連れて帰るしかない。

風呂場へ連れていき、洗面器でお湯をかけた、頭からジャブジャブかけた。湯船に二杯分のお湯を使い、シャンプーのボトルも空になった、洗面器を持つ手が痙攣しそう。

犬の震えは止まったけれど、疲れ果てたらしく、タイルの上に寝ころんでしまった。大量の犬の毛と、ドブに堆積していた得体の知れない何かが排水溝に詰まり、風呂場が洪水になった。

犬の長い毛に絡みついた、これまた得体の知れない何かをハサミで切り落とし、最後のとどめにお湯をかけて終了。犬も疲れただろうけど、僕もほとほと疲れた。

風呂からあがった犬に、我が家の犬、ピーちゃんが大興奮。ピーちゃんはオスのミニチュアダックス、拾われたドブ犬はメスのミニチュアダックス。ええ、ピーちゃんの気持もわかります…。

ドックフードをあげると、おかわりして食べた。いつから食べていないんだろう。迷子なのか、捨てられたのか。

ミニチュアダックスのクリーム、珍しい色だし、犬を捨てるような人間が飼う犬ではないはず。2月9日に大牟田市大黒町で保護しました。誰か心当たりのある方、ご連絡ください。保健所には連絡済みです。

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2件のコメントがありました

こんにちは。ホントめずらしい色のワンちゃんですね。私もMダックスを飼ってるので飼い主の気持ちを思うと胸が苦しくなります。今頃一生懸命探してるかも・・・無事に飼い主とワンちゃんが会えるのを祈ってますよ!ってか、こんなに白い犬が真っ黒だったんだ・・・

保健所に連れて行かれると告示を経て2週間程度で処分されてしまうので、しばらく保護して様子をみるしかないでしょう。
 不景気になればポイっと犬が捨てられてしまうケースが多いのですが、その犬は様子からして単に逃げただけのような気がします。同じドブになんどもはまるというのは、その近くの家なんでしょうかねぇ。

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